新型コロナ、第6波ピークアウトしない?オミクロン株「亜種」の猛威

2022年1月26日

新型コロナ、第6波ピークアウトしない?

オミクロン株「亜種」の猛威

2022年1月7日ごろから驚異的な早さで感染拡大している「オミクロン株」。正月以降、オミクロン株の影響で新型コロナウイルスの感染者が急増。さらに変異を重ねたオミクロン株(亜種)に置き換わり、第6波がピークアウトしないまま、第7波がやってくる可能性があることがわかった。

新型コロナウイルスの変異を調べる東京大学の佐藤佳准教授は、解析を進めるうちオミクロン株の変化に気づいた。

『BA.1』と『BA.2』の2タイプのオミクロン株

オミクロン株は、『BA.1』と『BA.2』の2タイプがあり、「同じオミクロンの名前が付いているが、かなり違う」(佐藤准教授)。

現在、日本で広がっているオミクロン株が『BA.2』、オミクロン株の亜種は『BA.2』。

「『BA.1』はデルタ株の2~5倍の感染力、『BA.2』は『BA.1』の2倍近くの感染力で、今後、世界の主流になることは、十分にあり得る」(佐藤准教授)。

デンマークでは、昨年12月中旬から、デルタ株が激減。その後、日本で流行している『BA.1』が急増。少し遅れて『BA.2』が増加し、2022年1月16日時点で、感染者の52%が『BA.2』に置き換わり、『BA.1』の47%を上回っている。

『BA.1』に続いて、『BA.2』が流行拡大すると、第6波がピークアウトしない、もしくは、すぐに『BA.2』による第7波がくる可能性がある。

『BA.1』がいったん落ち着いてから、再び感染拡大するのか、第6波にかぶさった形で『BA.2』の感染が拡大するのか不明だが、すでに『BA.2』が日本に入ってきているので、第6波では終らないと予測されている。

「複数の国で一貫して、増加しているということは、亜種(BA.2)がこれまでのオミクロン株(BA.1)より、ある程度感染力が強い可能性がある証拠だ。インドとデンマークのごく初期のデータによると、これまでのオミクロン株(BA.1)と比較して、重症度に劇的な差はない様子だ」(インペリアル・カレッジ・ロンドンのトム・ピーコック教授)。

日本を含む48カ国で『BA.2』を確認

『BA.2』が確認されているのは、インドやスウェーデンなど48カ国。日本も含まれている。

厚生労働省によると、空港検疫で確認されたオミクロン株の感染者のうち、『BA.2』だったのは、19日時点で198例。インドやフィリピンから入国してきた人たちが中心。日本国民に自粛や外出制限を強要するのではなく、飛行機を完全に止める以外に、対策はなさそうだ。

感染力は約2倍、第7波も!オミクロン株の変異「ステルスオミクロン株」

イギリス保健当局が、オミクロン株の変異「亜種」の調査へ

イギリスでは現在、オミクロン株の「BA.1」という型が主流になっている。

しかし、イギリスで増え始めているのが、「BA.2」という亜種。

イギリス保健安全保障庁は、調査・分析を始めている。

PCR検査で判別できない

2022年1月末に日本で猛威を振るっているオミクロン株は、「BA.1」と呼ばれている。その亜種で、さらに変異を重ねたのが「BA.2」“ステルスオミクロン”だ。

なぜ“ステルスオミクロン”とは?

「ステルスというのは、PCR検査で判別できない。新型コロナウイルスが陽性か陰性かはわかるが、詳細な遺伝子検査をしないとステルスオミクロンであるというのがわからない」(東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授)

感染力はオミクロン株の約2倍

「BA.2」“ステルスオミクロンは、現在のオミクロン株と比べて、およそ2倍の感染力が、ステルスオミクロンにはある(佐藤准教授)。

40カ国位以上で確認

ステルスオミクロン株は、すでに40カ国以上で確認。そこには日本も含まれている。厚生労働省によると、1月19日現在で、空港検疫で198例確認されていて、空港検疫で確認されたオミクロン株の10.8%となっている。

デンマークでは、2021年から現在のオミクロン株が増え始めて、今は減少傾向にある。それに対し、ステルスオミクロンは、2021年12月から増え始め、一気に主流となり、すでに置き換わっている。

第7波が来る恐れ

「第6波が長引く可能性と、ステルスオミクロン株による第7波がやってくるおそれがある」(佐藤准教授)

キプロスで誕生?新たな変異ウイルス「デルタクロン株」

実験室汚染の可能性技術的なミスが指摘

新たな変異ウイルス「デルタクロン株」が発見された。

発見された場所は地中海に浮かぶ島国のキプロス大学。

キプロスもいま感染拡大している国だが、キプロス大学のコストリキス教授によると、これまでにこのデルタクロン株の感染確認が25例あった。

軽症者よりも、入院が必要な重症者から多く見つかっている。

アメリカのブルームバーグ通信によると、デルタ株とオミクロン株の両方の特徴を併せ持つ新たなウイルス。

デルタクロン株についてヨーロッパの専門家からは、「実験室でデルタ株とオミクロン株を、誤って混ざってしまったのではないか」という、技術的なミスが指摘されている。

一方で、キプロスの研究チームは技術的なミスという指摘については否定をしている。