大阪震災で女児が死亡!倒壊のブロック塀は人災、高槻市の責任は免れない

2018年6月23日

倒壊のブロック塀は「建築基準法違反」

高槻市の刑事責任は免れない

6月18日朝に震度6弱を観測した大阪府高槻市で、通学中の9歳女児が市立小学校のブロック塀の下敷きになり、死亡した。

ブロック塀が建築基準法に違反

ブロック塀が道路側に倒れたことが女児の死亡につながり、建築基準法違反の可能性が指摘されていたが、高槻市は18日夜、「建築基準法と適合しない」と発表。

その後、高槻市教育委員会は、このブロック塀が建築基準法に違反していたことを認めた。

ブロック塀は法令に違反

ブロック塀は長さ40メートルで、地上からの高さが3.5メートル。建築基準法では、高さが2.2メートルを超すブロック塀をつくることは認められていない。市教育委員会は、法律に違反していたことを認めた。

建築基準法では、塀を固定する「控え壁」の設置も義務づけられているが、この補強も行われていなかった。しかもブロックの上部まで鉄筋が届いておらず、鉄筋の量が規定よりも少なかったこともわかった。

高槻市は「違法建築物だった。構造の脆弱(ぜいじゃく)性が倒壊した原因と考えている」との認識を示した。

生きていたら

亡くなった9歳女児が可哀そうでならない。

生きていたら、いっぱい恋愛し、楽しいことがこれからいっぱい待ち受けていただろう。

璃奈ちゃんの葬儀では、父親が娘の想い出を振り返り、「人の悪口を言わないなど10の約束をしてくれた」「100%実行してくれた。誇らしい自慢の娘でした」と話した。

なぜ独自に安全対策を行わなかったのか

事故があったのは、高槻市内の寿栄(じゅえい)小学校。

4年生の三宅璃奈(りな)さん(9)が亡くなった事故で、田中良美校長は3年前にブロック塀が危険という指摘を外部の防災アドバイザーから受け、高槻市教育委員会に伝えた。

これを受けて高槻市教育委員会は2016年2月にブロック塀をハンマーでたたくなどするテストを行い、安全であることを学校側に伝えた。

しかも安全を点検した職員は建築士などの資格は持っておらず、いい加減な素人判断だったこともわかっている。

田中校長は「市教委に報告して点検していただいた。危険という認識はなかった」と言っているが、大きな地震でブロック塀が崩れるかもしれないという感覚はなかったのか。

自分の目で見て、これは危ない、とは感じなかったのか。

なぜ簡単に引き下がったのか。

なぜ、行動を起こさなかったのか

子どもの安全という立場から見れば、防災アドバイザーから危険性を指摘されたのだからブロックが崩れてきたことを想定し、市教育委員会に関係なく、学校側で独自に対策を行うことは十分できたはずだ。

予算や労力などいろんな問題はあるだろうが、

なぜ、行動を起こさなかったのか。

校長だけが責任ではない。寿栄小学校の教師たちや、地域住民も声をあげるべきだった。学校が動かないのなら、地域住民が大阪府などの関係機関に働きかけるべきだった。

阪神大震災では多くのブロック塀が倒壊 

関西では、1995年1月7日に淡路島北部を震源とするM7.3の阪神・淡路大震災が発生し、6400人を超える犠牲者を出している。多くのブロック塀が倒壊し、これが凶器になって人々に襲いかかることも指摘されていた。

震災では高速道路が倒壊

テレビなどの報道では、ブロック塀がぐちゃぐちゃになって壊れている画像が映し出された。

同震災では、世界に誇る日本の高い技術の粋を集めて建設された高速道路がぐにゃぐにゃに倒れた。

生かされていなかった教訓

鉄骨が入っていないブロック塀が激しい地震動で簡単に粉々に壊れることは専門家でなくても理解できる。

多大な犠牲者を出した震災の教訓がまったく生かされていなかった。亡くなった女児に心から哀悼の気持ちを捧げたい。どれほど苦しかったことだろう。

そもそも、そこにコンクリートブロックを置く必然性があったのか。大地震に柔軟に対応できる安くていい素材はいくらでもある。

高槻市、および学校の刑事責任は免れないだろう。