タイのベストシーズン! 新型コロナウイルスで観光旅行はどう影響?
タイのベストシーズン!
新型コロナウイルスで観光旅行はどう影響?
2月、3月はタイのベストシーズン。首都バンコクをはじめ、ビーチリゾートのプーケット島やサムイ島、パタヤ、世界遺産のアユタヤ、古都チェンマイは爽やかな晴天に恵まれ、雨がほとんど降らない季節。この時期に合わせ、春休みや卒業旅行など、タイ旅行を計画されていた方は多いと思います。しかし、コロナウイルスで旅行をキャンセルしようと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?「タイは今、安全?」「どんな状況なの?」。そんなタイの現状を現地から報告します。
新型コロナウイルスの脅威
僕がタイに来たのは、2020年1月初旬。バンコクからチェンマイ、タイ北部をバイクで走り、2月13日現在はサムイ島に滞在。今後、プーケット島や南の島々を巡る予定。新型コロナウイルス関連肺炎をヤフーニュースで知ったのがチェンマイの滞在中(1月中旬)。翌日、中国人観光旅行者の全員がマスクをしているという異様な光景を目にした。しかし、タイ人や他の外国人旅行者はあまり関心が高くなく、「またマスコミが空騒ぎをしている」程度の認識しかなかった。
ところが、2月1日にバンコクに戻ると、深刻な事態に。街中や電車でも、ほとんどのタイ人がマスクをしていることにひどく驚かされた。これまでタイ政府が「健康に深刻な状態」と大気汚染を警告する発令を呼びかけても、数割程度しかマスクを着けていなかったタイ人。だが、ほとんど全員のタイ人がマスクをしている状況に、新型コロナウイルスの脅威を思い知らされた。
▲ BTS(高架電車)の駅構内のようす
3月に日本に戻る予定だが、今回利用した飛行機会社が「中国国際航空(Air China)」であり、飛行機の変更通知がメールでたくさん送られてくる。日付の変更が送られてくるが、いったい何時何分発なのかがわからない。JTB HTA販売センターに問い合わせても、「日本出発後のスケジュール変更につきましては、弊社ではご対応いたしかねます」と、JTBのお姉さんは冷たい。日本に帰れるのか?
とりあえず、ビザ延長を申請し、2カ月間、タイに滞在できるように対策を講じ、サムイ島で出会ったタイ人美女と一緒にプーケット旅行に行くという特例措置を決めた。
コロナウイルスとタイ入国審査の現状
中国湖北省武漢市を中心に、2019年12月から発生し、短期間で世界に広まっている新型コロナウイルス関連肺炎。オーストラリア、アメリカ(ハワイ)、ニュージーランド、シンガポールの各国は、中国本土に滞在していた外国人を対象に、入国を制限する措置をすでに実施している。
▲ バンコクのイミグレーションではマスクを配る職員の姿が
タイ政府は、新型コロナウイルスの感染が疑われるとして、クルーズ船「ウェスターダム」の入港を拒否した。しかし、タイ政府は「世界保健機関(WHO)のガイドラインを遵守しており、WHOは、どの国または地域にも旅行禁止を発令したことはない。そのような行動は役に立たず、ウイルスの拡散を防ぐことはできないと判断」という考えであり、外国人旅行者の入国を制限する措置は今のところ見られない。
▲ BTS モーチット駅のバス停付近
タイ政府は「最高の保健安全保障を誇る上位10か国の一つに選ばれており、SARSとMERSの発生中に成功したように、新型コロナウイルス感染に対処するための設備を整えている」と説明する。確かにタイの医療技術は高く、信頼も確か。
タイ・バンコクは危険?
だが、タイ政府にはたいへん申し訳ないが、中国本土を除いて、新型コロナウイルスに感染するリスクの高い都市の1位はバンコクというデータがある。イギリスのサウサンプトン大学のWorldPopチームが2020年1月28日にまとめたもので、「武漢と近隣の地域からの旅行者数が最も多い都市が、バンコク」というもの。
▲ セントラルワールドでもマスク姿の人々が
感染リスクの高い国のランキングでは、1位タイ、2位日本、3位香港、4位台湾、5位韓国と続く。
湖北省武漢市市長は1月26日、「旧正月と新型コロナウイルスの影響で、すでに500万人が同市を離れた」と会見。中国メディアは、武漢市が事実上、閉鎖された2020年1月23日までの20数日の間に、来日した武漢市民は1万8008人と海外渡航傾向を分析。国別では、1位タイ(2万6674人)に次いで、2位が日本。
一方、渡航先の都市別でみると、1位バンコク(1万1558人)、2位シンガポール(1万0689人)、3位東京(9080人)。
▲ マスクをして地下鉄(MRT)に乗るタイ人
感染拡大でタイでは失業者50万人?
中国からの団体旅行の禁止で、タイ経済の損失も大きい。タイ商工会議所のシンクタンクは、経済損失は最大1000億バーツ(約3600億円)に上るとの試算をまとめている。
タイ観光・スポーツ省によると、中国からの観光客は、1月中旬から2月中旬までの期間で60.9%減少。今後、新型コロナウイルスの感染が拡大すれば、タイでは50万人以上が仕事を失う可能性があるとの試算もある。
「経済損失は一時的なもの」と楽観視するシンクタンクもいるが、タイ保健省の担当者は「バンコクだけでなく、チェンマイやプーケットで大流行する可能性が高い」と警告している。
▲ バンコクの中華街でもマスク姿が目立つ
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今後、春休み、GW(ゴールデンウイーク)、夏休みに国内外の旅行を計画している方は、旅行保険を活用すると同時に、キャンセル可能な時期まで状況を見守ってはいかがでしょうか?
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