奈良県大峰「天女の舞」の登山コースは?パワースポットの聖地

2024年5月5日

奈良県大峰「天女の舞」の登山コースは?パワースポットの聖地

最近、登山好きな旅行者の間で、静かな人気を呼んでいる絶景スポットが、天女の舞(奈良県天川村)。日本有数のパワースポット、「天河大辨財天社(天河神社)」の主祭神、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)と同一視されている、美しい天女(弁財天)が舞を舞ったとされる聖地です。八経ヶ岳、弥山に行く途中にあり、恋愛成就や健康、美のご利益も授かるパワースポットの山として女性登山者にも人気。天女の舞をご紹介します。

絶景のパワースポット!天女の舞

「天女の舞」は、天河神社や、天河神社の奥宮「弥山神社」に祀られている弁財天(弁才天)が、舞を舞ったとされる絶景スポット。関西・中国地方の最高峰、八経ヶ岳(はっきょうがたけ)や弥山(みせん)に行く途中にあり、新緑や紅葉、雪景色や樹氷も美しい。

「天河神社」というのは、日本三大霊場(高野・吉野・熊野)の三角形の中心に位置する、日本有数のパワースポット。主祭神は、美人三姉妹の宗像三女神のなかで、一番の美女とされる市杵島姫命。芸能の神様(弁財天)と同じと考えられ、縁結びなど恋愛成就や金運(財運)、仕事運(芸能)アップのご利益があるほか、「女性の健康、長寿、美」のご利益が授かる幸福の女神として信仰されています。

<天河神社の基本情報>

住所:奈良県吉野郡天川村坪内107

電話番号:0747-63-0558

アクセス:大阪から車で約2時間

駐車場:あり(無料)

写真は、「天女の舞」へと続く登山道(栃尾辻~オオビヌキ坂)。大自然や山の美しさはもちろん、「女性の健康、長寿、美」のご利益が授かるパワースポットとして、聖地巡礼に出かける女性登山家の姿も見られます。

登山ルートは川合登山口がおすすめ

「天女の舞」へは、熊渡登山口(双門・弥山登山コースの入口)からアクセスする行き方もありますが、このルートは関西屈指の難関コース。そこで、おすすめは、天川村役場の裏手にある登山ルート(川合登山口)。

「門前山」「河合道」「栃尾辻(避難小屋)」「オオビヌキ坂」を経て、「天女の舞」をめざしましょう。

川合登山口から門前山まで急な登りが続き、やがて稲村ヶ岳など大峯山脈を展望するポイントへ。山間に広がる集落が、洞川(どろがわ)温泉街。紅葉名所で知られる「みたらい渓谷」が谷間にのぞき、川沿いに「みたらい遊歩道」が伸びています。

尾根道の河合道を進むと、坪ノ内林道と合流。ご覧のような案内表示があるので、道しるべに沿って進んで行きます。

※初心者向きの「観音峯」と同様に、登山道が整備され、案内表示もありますが、「天女の舞」の登山ルートはロングコース。標高差は1000メートル近く。

天河神社の美人天女に会いたい!

坪ノ内林道に沿って進むと、やがて見えてくるのが、ご覧の栃尾辻。避難小屋がある場所です。ここで標高が1338メートル。あともう一息。

※避難小屋にはトイレがありません

やがて眺望が開けた場所に出ます。ここが「天女の舞(標高1470メートル)」。大峯山脈のパノラマビューが広がる名所です。大峯山は、日本百名山の一つ。大峯山を通る修行の道「大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)」は、『紀伊山地の霊場と参詣道』を構成する主要な要素として、世界文化遺産に登録されています。

屏風のように青くそびえる大峯山脈。女人禁制の山上ヶ岳をはじめ、稲村ヶ岳(女人大峯)、バリゴヤの頭、行者還岳(ぎょうじゃがえりだけ)といった名山が連なります。不思議なエネルギーの龍脈が、大峯の山々に沿って流れているのが感じられることでしょう。

日本屈指のパワースポットの山

大峯山は、古くから修験道の聖地。修験道では、天川村は誕生の地とされ、「ゼロ地点」「出発の地」であり、新たな始まりや再起を図るための、日本屈指の強力なパワースポットになっています。

「天女の舞」からさらに登ると、弥山・八経ヶ岳へ。弥山には、天河神社の奥宮となる「弥山神社(写真)」があります。神聖で厳かな霊気が張りつめています。

弥山は、修験道の開祖、役小角(えんのおづぬ)が“天降る天女”を感じ、日本で初めて「弁財天(弥山大神)」を祀った聖域。弁財天は、ヒンドゥー教の女神(サラスヴァティー)が仏教に取り込まれた呼び名。みたらい渓谷などの清流(写真は、かじかの滝)ように、美しい調べを奏でることから、「水の精」「音(音楽)の神様」として信仰されています。

パワースポットの山で女神と会う

弥山大神(弁財天)は、後に皇位継承で窮地に追い込まれた大海人皇子の前に出現。琴の音色に乗って現れた美しい天女に勇気づけられ、皇子は壬申の乱に勝利し、天武天皇として即位します。弥山では、この不思議な伝承に象徴される、荘厳で神秘的な奥深い自然美が感じられます。

天武天皇となった大海人皇子は、弁財天女の加護にむくいるため、「天の安河の宮」という社殿を建てます。これが「天河大辨財天社(天河神社)」の始まり。

天河神社を象徴する強力なパワースポットが、拝殿の鈴緒の先にある「五十鈴(いすず)」。写真は、天河神社の宮司さまがお持ちになられている「五十鈴(レプリカ)」ですが、清流のような美しい響きに心身が清められます。

弥山のすぐ隣にある、八経ヶ岳では、梅雨時の7月上旬ごろにオオヤマレンゲの可憐な白い花を見ることができます。「天女花(中国名)」とも呼ばれる花は、弁財天女の化身のような美しさ。パワースポットの山々で、日本の神々や大自然の美しさに出会ってはいかがでしょうか?

奈良県天川村には、関西の秘湯「洞川温泉」や、「みたらい渓谷」といった遊歩道やハイキングコース、鍾乳洞もあるので、ご興味のある方は関連MEMOに張り付けたリンクからのぞいてみてください。洞川温泉に宿泊して天川村の観光名所も巡りましょう。

「天女の舞」の基本情報

住所:奈良県吉野郡天川村

電話番号:0747-63-0999(天川村総合案内所)

アクセス:近鉄電車「下市口駅」から天川川合までバスで約1時間、天川川合バス停から「天女の舞」まで徒歩約4時間

登山コース:天川村川合~栃尾辻~天女の舞(登り約4時間、下り約3時間、合計距離約14キロメートル)

ご注意:

・事前に天気や天候を確認し、十分な登山計画と装備(アイゼンなど)を行い、「登山届(駐在所や登山口にポストあり)」を必ず提出しましょう。

・初心者の方は天気や気象条件が良く、日照時間が長い季節を選んで登山しましょう。遭難や事故を避けるため、ツアー旅行に参加するのがおすすめ。

・刻々と変化する天気や気温、気象状況や体力を考慮し、「途中で引き返す」のも登山。聖地「大峯山」を安全に楽しみましょう。

・熊よけの鈴を持ちましょう。

・ごみは持ち帰り、自然保護に努めましょう。