羽生結弦、松岡修造の一言に涙止まらず、……悔しい

2022年2月12日

羽生結弦、

松岡修造の一言に涙止まらず、……悔しい

北京冬季五輪のフィギュア男子フリーで、4位に入賞した羽生結弦。3度目の表彰台は逃したが、冒頭で挑んだクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に転倒しながら何度も挑み、国際スケート連盟(ISU)に世界で初めて認定された。

北京五輪で、世界初のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑んだ羽生結弦。転倒しながら何度も戦いを挑んだ羽生結弦を、 元テニス選手でスポーツキャスターの松岡修造が、インタビューを行った。

https://www.youtube.com/watch?v=ES5x7JNhFbc

取材スペースに現れた羽生結弦。あっけらかんと、にこやかな顔で現れた。「申し訳ねー」と笑った。

だが、松岡修造は、戦いに敗れて、ぼろぼろになった羽生結弦に、しっかりとした口調で言う。

「結弦さん、僕は、ありがとうと言いたいんですよ。お礼したい。だって誰もトライしたことがないものに、何があってもトライし続けましたよ」

その一言に、羽生結弦の涙腺は切れた。

じっと、うつむき、悔し涙と、これまでのスケート人生、さまざまな想いが交差する。

「ちょっと待って、だめだ…」

背を向ける羽生結弦。

カメラは、羽生結弦の後姿をとらえる。

壁の方に向かい、うつむき、じっと涙を押し殺す羽生結弦。

おどけた調子で言う。

「あー、テレビの前で泣くのいやなんだけどな。修造さんと長いからな」

手で涙をぬぐい、羽生結弦が振り返る。その澄んだ、黒々とした瞳。

「悔しい」と、羽生結弦はつぶやき、泣き続ける。

松岡修造は、問いかける。

「苦しさの中にこのオリンピックで何を見たんですか」

羽生結弦は、いつもと同じクールな表情を見せる。

「……そうですね……もうなんか努力って報われないなって思いました。僕はオリンピックで金メダルをとるために、そして4回転半を決めきるための正しい努力をしてこれたと思ってます。自分の中では一番いい、一番近いアクセルが飛べたと思ってますので、その点に関しては満足してます」

松岡修造は、少し笑う。

「4回転アクセルまだ応援していいのかな、まだ?」

すべての力を出し切った羽生結弦は答える。

「わかんないです。出し切った」

羽生結弦は以前、こんなことを語っている。

「一時期、週刊誌の問題とか色々あった時に、“なんで僕生きてるんだろう”って。何回も死のうともしました」と胸の内に秘められた想いを語った。「でも、でもね、本当にみんなこうやっていっぱい応援してくれるし、何より僕が幸せなのは、自分が憧れてる方々がみんな、自分にメッセージをくれて、“ゆづは大丈夫だよ”ってコメントくれて、本当にありがたかったし、スケートやっててよかったって。本当に今は生きててよかったって、本当に思ってます」