この世に二人だけ
この世に二人だけ
桜
この世に二人だけ
優しくしてくれるのは
詩と娼婦だけ
「あなたが良いと思う詩が
良いのです」
どんなことを感じ
思っても
それが正解
あなたの詩
詩は
誰にでも優しい
娼婦です
詩は
誰とでも寝る
娼婦
娼婦が好きなのは
そのせいかもしれません
誰とでも寝る
娼婦は
誰よりも
ひとつの恋を知っています
愛はたくさんありますが
本当の恋はひとつ
娼婦はいっぱい愛し
いっぱい汚れているから
純真なひとつの恋を
持っているのです
だから
正しく生きようとする者は
日本の学校から
こぼれます
正しく恋しようと思う者は
日本の会社から
こぼれます
この国の正解は
ひとつしかなく
それも
ねつ造品
それでも
この国の上にも
天の河が流れています
遥か夜の彼方の
天の河
光る小石が集まり
水は流れていないけれど
澄んだ水底には
ひとつの花が咲いています
河のほとりに
水晶の蝶が舞い降りたなら
さらさらと
さらさらと
明るい光が流れ
凍った水が溶けだし
ひとつの花がこぼれるでしょう
眠る娼婦の
まぶたに
キスするとき
凍った水は溶け
みんな涙になりました
空から花がこぼれ
みんな涙になりました
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