奈良の大仏&東大寺で再発見!大人が楽しむ奈良観光コース
子どものころに見上げた大きな「奈良の大仏」。修学旅行や家族旅行で、「東大寺」(奈良県奈良市)を観光で訪れた方も多いかと思います。大人になった今、改めて奈良の大仏さまを見上げると、懐かしさとともに子どものころに感じられなかった魅力がいっぱい。そこで、「良の大仏&東大寺周辺で、大人が楽しむ観光モデルコースをご紹介。奈良で一日のんびりしたい方やファミリーやカップル、一人旅、奈良初心者の方もおすすめです。
奈良の大仏(Nara Big Buddha)
東大寺 大仏殿(金堂)
「奈良の大仏(Nara Big Buddha)」と「東大寺 大仏殿(金堂)」。奈良観光の人気観光スポットランキングで、最も人気の高い観光スポットです。歴史の教科書に出てきた、あの大仏さまです。
奈良の大仏(東大寺 大仏殿)」への行き方・アクセス
「奈良の大仏(東大寺 大仏殿)」への行き方・アクセスは、JR大和路線・近鉄奈良線「奈良駅」から市内循環バスに乗り、バス停「東大寺大仏殿・春日大社前」で下車。
のんびり奈良公園を散策
近鉄奈良駅から、徒歩約20~30分(約2.6キロメートル)なので、のんびり奈良公園を散策し、かわいい鹿たちとふれあいながら向かうのもおすすめです。
国宝「東大寺 南大門」
東大寺の正門
東大寺大仏殿前のバス停から、まっすぐ北に向かって歩くと、見えてくるのが国宝の「東大寺 南大門」(写真)。威風堂々とした風格のある門で、東大寺の正門になります。
門の高さは約25メートル 国内最大級
18本の太い円柱が建ち並び、門の高さは約25メートルと国内最大級。門を丈夫にするため、柱を水平に貫く横木を多く使い、天井板がないため、屋根が筒抜けでダイナミック。現存する南大門は、1199年の鎌倉時代に、宋(中国)から伝わる建築様式「大仏様(天竺様)」を取り入れました。
「東大寺 南大門」の見どころ
木造の金剛力士像
「東大寺 南大門」での見どころは、門の左右にそびえる木造の金剛力士像。高さ約8.4メートルと巨大な木像で、これも国宝です。門に向かって右側にあるのが、口を閉じた像「吽形(うんぎょう)」。左側が、口を開いた像「阿形(あぎょう)」です。約3000もの部材を組み合わせた寄せ木造りで、しかも約2カ月で制作されたというスピードにも驚かされます。
鏡池から「東大寺 大仏殿(金堂)」へ
「東大寺 南大門」を進むと、左手に「東大寺ミュージアム」が見え、鏡池から「東大寺 大仏殿(金堂)」の風格ある姿を目にすることができます。
「華厳宗 大本山」の寺院 東大寺
ユネスコの世界遺産に登録
東大寺は、仏教の宗派のひとつ、「華厳宗(けごんしゅう)大本山」の寺院。1998年に、古都奈良の文化財の一部として、ユネスコの世界遺産に登録されています。
東大寺の本尊「盧舎那仏(るしゃなぶつ)座像」(奈良の大仏)
世界最大級の木造建築
写真が「東大寺 大仏殿(金堂)」。東大寺の本尊、「盧舎那仏(るしゃなぶつ)座像」(奈良の大仏)を安置する、世界最大級の木造建築です。国宝。
現在の建物は、江戸時代の1709年に再建
正面から眺めると、その大きさが改めて感じられます。大仏の建立後、奈良時代の758年に建てられましたが、戦火で2度にわたって消失。現在の建物は、江戸時代の1709年に建てられたもの。棟までの高さ約49メートル、奥行きが約50メートルは創建当時とほぼ同じです。しかし、幅は約58メートルで、当初と比べて約3分の2の大きさ。
世界最大のブロンズ像 奈良の大仏
奈良の大仏さま
こちらが「奈良の大仏さま」。世界最大のブロンズ像(銅像)です。正式名は、「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」。別名で「毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)」とも呼ばれています。
現在の価格で約4700億円
聖武天皇の発願で奈良時代の745年に制作が始まり、7年後の752年に完成。大仏に魂を入れる儀式「眼供養会(かいげんくようえ)」が行われました。ちなみに、「奈良の大仏」と「東大寺大仏殿」の建設費は、現在の価格で約4700億円となるもよう。
戦艦大和よりも、奈良の大仏の方が高い?
ちなみに、東京スカイツリーの建設費は約400億円。ミサイル防衛艦イージス艦が約1500億円。史上最大の戦艦大和(1936年当時約1億4000万円)が、現在の価格で約3000億円という計算も。
奈良の大仏の大きさ
奈良の大仏は、像高(座高)15メートルという大きさ。大仏さまが立ち上がり、もし歩いたら、その速さは時速88キロ。約6時間30分で東京に到着します。
こんなにデカいダンナがいたら
詳しい計算は省きますが、リンゴ約2000個を一気に握りつぶせる握力があり、くしゃみをしたら15キロメートル先までウイルスが飛び、しゃべったら8キロ先の人まで声が届くとか。こんなにデカいダンナがいたら、うんざりという奥さま方も多いのではないでしょうか?
奈良の大仏も再建
奈良の大仏も、二度の兵火によって焼け落ち、お尻の部分などは鎌倉時代に再建。頭部や肩、胸、背中、両腕は江戸時代の1692年に再建されました。台座や足の一部、大仏殿前にある「金銅八角燈籠」(国宝)などが創建当時のまま、奇跡的に現代まで残っています。
イケメン風にアレンジも
当時(元禄時代)に流行していたイケメン風にアレンジされたという話もあります。
奈良の大仏のモデルは?
華厳経の中心仏「毘盧遮那仏」
奈良の大仏のモデルとなったのは、今から約1600年前に中央アジアで成立し、中国から日本へ入ってきた大乗仏教「華厳経(けごんきょう)」の中心となる「盧遮那仏(るしゃなぶつ)」。
実際には、中国の洛陽市郊外にある龍門石窟「奉先寺(ほうせんじ)」の盧遮那仏をモデルにしたのではないかと言われています。
盧遮那仏は、サンスクリット語の「ヴァイローチャナ(Vairocana)」を漢字に当てはめたもの。毘盧遮那とも音写し、略して「盧舎那仏」とも呼ばれています。
仏から発せられる慈悲の光は、すべての人々を救うという意味で、難しい言葉で「光明遍照(こうみょうへんじょう)」と言います。密教のご本尊、大日如来とほぼ同じ。
「華厳経」には、仏教の開祖ブッダ(釈迦)の身長を10倍にすることで、無限大の宇宙を表現することが説かれており、東大寺の大仏は宇宙そのものを表しています。
奈良の大仏 手には水かき
奈良の大仏。よく見ると、不思議なものが見えてきます。手には水かきがあり、大海原を泳ぎきるなど、苦行を乗り越えた証でもあり、1滴の水も漏らさないように人々を救い上げるという意味があるとされています。
奈良の大仏 頭はブツブツ
頭のブツブツは、「螺髪(らほつ)」と呼ばれる独自のヘアースタイル。知恵の象徴となるもので、悟りを開いたという意味があります。この独自の髪型は「修行完成者」、つまり「悟りを開き、真理に達した者(如来)」に限られています。
奈良の大仏 おでこのホクロは?
おでこのホクロは、「白亳(びゃくごう)」と呼ばれるもので、これはホクロではなく、長い毛(産毛)が右巻きに丸まったもの。光を放ち、世界を照らします。
奈良の大仏 ポーズにはどんな意味?
続いては、大仏さまの手のポーズ。右手をあげて、手のひらを向けた姿は「施無畏印(せむいいん)」というジェスチャー(印相)で、「恐れなくてよい」と不安を取り除く意味があります。左手を下げて、手のひらを前に出している姿は「与願印(よがんいん)」と言って、何かを与える姿を示したもの。慈悲の心を表現し、「願いをかなえよう」という意味。
奈良の大仏 なぜ座っているの?
ちなみに、大仏さまが座った姿は「どうすれば人々を救済できるのか」と考えている姿。立っているのは、人々を救おうと積極的な姿。寝ころんでいる仏は、すべての煩悩が消え、涅槃の境地(ブッダの死)に達したことを意味しています。
大仏殿 柱の穴
外国人観光客に大人気
「東大寺 大仏殿」は、広々とした大きな空間。金剛力士像や四天王像など、巨大な木造の仏像が安置され、すべて奈良時代作の国宝。大仏殿の中で、外国人観光客にも大人気なのが、柱に開けられた穴。大仏の鼻の穴と同じ大きさ。柱の穴をくぐると、無病息災のご利益があると言われています。
柱の穴は鬼門に位置
柱の穴は、大仏殿の北東に位置し、ここは鬼門にあたる場所。もともとは、邪気を逃すために開けられたものです。穴の大きさは30センチ×37センチ。子どもであれば楽に通り抜けられますが、大きな欧米人が無理にくぐると出られなくなることもあり、その場合は救急車を呼ぶのではなく、煩悩を吹き消して涅槃の境地に達しましょう。
東大寺の見どころ、おすすめ観光スポット 二月堂
風情ある裏参道はおすすめ
東大寺の見どころは、大仏や大仏殿だけではありません。関西に春を告げる“お水取り(修二会)”の行事で知られる「二月堂」も、東大寺の建物。大仏殿の裏側から、二月堂へ向ける裏参道があります。土塀に囲まれた石畳の道が伸び、古都・奈良の風情が最も感じられる観光スポット。
法華堂(三月堂)、手向山八幡宮もおすすめスポット
小高い丘に建つ「二月堂」の周辺は、「東大寺 法華堂(三月堂)」や「手向山八幡宮(たむけやまはちまんぐう)」といった、由緒ある社寺が点在するエリア。秋の紅葉が美しく、紅葉の穴場スポットです。
東大寺の大鐘 奈良太郎
国宝の鐘
東大寺の大鐘があるのも、このエリア。鐘楼につるされている鐘は、東大寺創建当初(奈良時代)のもので、国宝に指定されています。日本三名鐘の一つ。地元では、「奈良太郎」と親しまれています。むやみに打ち鳴らすことはできませんが、国宝の大鐘をすぐ目の前で見られるなんて貴重な体験。鐘は、毎日、朝6時と正午に鳴らされ、今も現役で活躍しています。正午には鐘つきのほかに、お坊さんがホラ貝を吹く姿も見ることができます。
大仏池(正倉院大池)も散策におすすめ
秋の紅葉の穴場
大仏殿近くにある「大仏池」(正倉院大池)も散策におすすめのコースです。秋の紅葉シーズでは、イチョウが美しい超穴場の紅葉スポット。観光客の姿も少なく、静かな散策を楽しむことができます。
正倉院
校倉造の高床式の倉庫
歴史の教科書で習った正倉院も、東大寺の建物。校倉造(あぜくらづくり)による高床式の倉庫で、聖武天皇・光明皇后ゆかりの品や、天平時代などの多数の美術工芸品を収蔵していました。この建物も国宝で、世界遺産。シルクロードの東の終点と言われる宝物庫で、現在は宮内庁が管理しています。
秋に、正倉院の宝物展示会
正倉院の宝物は、普段は見ることはできませんが、毎年秋に奈良公園内の奈良国立博物館で「正倉院展」が開催されます。天平文化の作品だけでなく、唐やペルシャから輸入された陶器や刀剣、ガラス器などもあり、見ごたえ十分。
金銅大合子(こんどうのだいごうす)
蓋が付いた入れ物で、メッキされていました。香を入れる容器として使われていました。
黄熟香(おうじゅくこう)
天下第一の名香と呼ばれる香木です。一般的には「蘭奢待(らんじゃたい)」の名で知られています。権力者にとって非常に重宝された香りです。
金銀鈿荘唐大刀(きんぎんでんかざりのからたち)
唐風の大刀です。豪華な装飾が目を引きます。儀式用の太刀で、たいへん貴重な宝物。
金銅花形合子(こうどうのはながたごうす)
八弁の花をイメージした金銅製の容器です。蓋の端が反りかえり、透かし彫りと毛彫りで唐花文を表しています。
撮影は禁止
正倉院展では、撮影は禁止。招待者やマスコミ関係者を対象とした内覧会(プレビュー)のみ撮影が許されます。2017年の正倉院展は次の通り。この秋、奈良に観光に来られたなら、ぜひご覧になってください。
【2017年の正倉院展】
■開催期間/ 10月28日(土)〜11月13日(月)
■開催時間 9:00〜18:00(金、土日・祝は20:00まで)
おわりに
奈良で大人の休日
子どものころに訪れた東大寺、奈良の大仏。大人になってから、改めて訪れると、懐かしさとともに、大人になってからでないと感じられない魅力がたくさん。ご紹介した以外にも、すぐ近くには「若草山」「春日大社」「新薬師寺」「興福寺」「興福寺国宝館」「ならまち」「浮見堂」「猿沢池」といった魅力的な観光スポットがあります。何度も訪ねたくなる古都・奈良で、大人の素敵な休日を過ごされてみてはいかがでしょうか?
東大寺周辺おすすめ駐車場
「夢風ひろば」がおすすめ
最後に、東大寺周辺おすすめ駐車場をご紹介。駐車場利用の方は、東大寺の門前にある商業施設「夢風ひろば」がおすすめ。施設内で買い物&飲食をすれば、レシートを合算して2000円以上であれば2時間無料(30分ごとに500円の追加料金)。近くには、TOMOパーキング奈良大仏殿前もあります。また、奈良高畑自動車駐車場は事前予約(観光バス優先)もでき、インターネット予約は2000円。
ただ、観光バス優先や、事前予約制の駐車場もあるので、クルマよりも電車・バスの公共機関利用がおすすめです。
東大寺周辺の観光スポットについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。
■関西屈指の紅葉の穴場!奈良公園の紅葉巡りおすすめスポット5選
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