死に急ぐことはない!ひきこもりの原因、社会復帰の仕方とは?

2018年7月21日

死に急ぐことはない!

殺人事件や自殺、痛ましい事件

引きこもりの50代の男性が、70代の父親に金属バットで殴り殺される。親子と見られる80代と50代の女性が手をつなぎ合って、電車に飛び込む。

80代の母親が寒さと飢えで死亡。ひきこもりの50代の息子を殺害し、70代の母親が自殺する。遺書には「夫の元へ息子と共に行く」と書き記されていた。

引きこもりを巡っての殺人事件や自殺など、痛ましい事件が絶えることはない。

15~39歳の「引きこもり」  54万人

内閣府は、学校や仕事に行かず、半年以上自宅に閉じこもっている15~39歳の「引きこもり」の人が、全国で54万人いるとの調査をまとめた。

「中高年の引きこもり」を含めると70万以上

だが、40歳以上については調査から外れている。「大人の引きこもり」を入れると、70万以上ともいわれている。その約63%が30代。

「8050」問題が深刻化

さらに、40代以上にも広がり、45~54歳のニートは45万人を超えている。親の仕送りや年金で暮らし、居場所はネットでのつながりのみ。「孤立無業」と冷笑されている。

親が80代、子どもが50代の引きこもり世代「8050」問題が深刻化している。

引きこもりの原因

「不登校」と「退職」

引きこもりの原因で最も大きいのは、「不登校」と「退職」。不登校や退学がきっかけで、引きこもりになったという人たちが多い。

主な原因

「職場になじめなかった」(23.7%)、「病気」(23.7%)、「就職活動がうまくいかなかった (20.3%)、「不登校(小学校・中学校・高校)」(11.9%)、「人間関係がうまくいかなかった」(11.9%)、「大学になじめかった」(6.8%)、「受験に失敗した」(1.7%)といったことが主な原因だ。

対人恐怖を高める 

ひきこもりは、対人恐怖を高め、被害妄想や強迫観念、攻撃本能、自傷行為、抑うつ症状、不眠、自殺願望、摂食障害、心身症状、家庭内暴力も見られ、刑事事件に発展することも多い。

引きこもりを選ばざるを得ない 

引きこもる人はまじめで優しい人が多い。対立を好まず、自分が損をしてでも相手を優先させてしまう。学校や会社でもいつもそんな役目を負わされる。人間関係に疲弊し、引きこもりを選ぶ人も少なくない。

行政はあてにならない 

引きこもりへの対策・支援では、行政やハローワークなど関係機関と連携した「ひきこもり地域支援センター」や「ひきこもりサポーター養成研修事業」、「ひきこもりサポーター派遣事業」などが設置されているが、そんなものはあてにならない。

暗闇は自分自身の力で 

引きこもる人たちは繊細で優しい。芸術的な面に目を向け、「好きなこと」「何かに打ち込めること」を見つけられたら、やがてそれが仕事にも結び付く。暗闇は自分自身の力で突破するしかない。

何か人の役に立つこと、人から凄いと思える何かを提供できること。そこに生きがいを見つけられたら、これほど強く楽しいことはない。