映画『鬼滅の刃』聖地巡礼!奈良県の岩「一刀石」で名シーン再現!ディープなアクセス、観光駐車場もご紹介
映画『鬼滅の刃』名シーン再現!
奈良県の岩「一刀石」で聖地巡礼!ディープなアクセス、観光駐車場もご紹介
子供たちだけでなく、むしろ親たちが夢中になっている、人気アニメの『鬼滅(きめつ)の刃』。奈良県の「柳生(やぎゅう)」には、『鬼滅の刃』の名シーンを再現できる岩(一刀石)があり、無料で楽しめる写真スポットとしておすすめ。主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)になりきって、悪やコロナをたたき切ってはいかがでしょうか?
奈良公園から山奥へ車で約40分。奈良県奈良市の「柳生(やぎゅう)」があります。
柳生は、江戸時代に「将軍指南役(自衛隊の教官みたいな人)」として、天下に権勢を振るった柳生藩一万石の地。
“剣豪の里”として知られ、“柳生新陰流”の開祖、石舟斎(柳生宗厳)が、天狗を相手に試合をして、一刀のもとに切り捨てると、まっぷたつに割れた岩(一刀石)が残ったという伝説があります。
人気アニメ『鬼滅の刃』で、主人公が鬼に変えられた妹を人間に戻すため、「鬼殺(きさつ)隊」の入隊をめざす修行中のシーンに似ていると、SNSなどで話題。聖地巡礼として、新たな観光スポットになっています。
※鬼殺隊……人食い鬼を退治する優れた剣士集団。政府非公認団体
奈良にも住んだことがあり、今まで何とも思わなかった岩だけれど、コロナ禍や収入減を鬼のイメージと重ねてたたき切り、もやもやした欲求不満・ストレスを解消し、また子供や彼女、奥さんを連れて無料で遊べるスポットとして、コスプレーヤーだけでなく、ご家族やカップル、この世を経済的に過ごしたい女子旅にもおすすめ。
奈良県の「鬼滅の刃」の聖地、柳生町の「一刀石」に行ってきたので、私ならではのディープな行き方もあわせてご紹介します。
奈良県柳生「一刀石」への普通の行き方、アクセスは?
柳生町は、奈良市の一部。奈良公園から北東へ10数キロの山奥にあり、電車や地下鉄は通っていません。
【電車+バスのアクセス】
「柳生バス停」から、「一刀石」まで徒歩約30分
■バス乗り場
JR奈良駅西口・16番乗り場(約55分)
近鉄奈良駅・4番乗り場(約50分)
※100系統(柳生行き)、94系統(石打行き)、102系統(邑地中村行き)
【車・バイクでのアクセス】
「一刀石」があるのは、「天石立神社(あまのいわたてじんじゃ)」。神社付近の道は狭く、車での侵入は禁止。
クルマやバイクで行きたい方は、神社の最寄りの駐車場「柳生観光駐車場(写真)」を利用しましょう。柳生観光駐車場から、「一刀石」までは徒歩約15分
<柳生観光駐車場の基本情報>
住所:奈良県奈良市柳生下町491
営業時間:9:00~17:00(年中無休、17時以降も出庫は可能)
駐車料金:普通自動車は1回、600円
お問い合わせ:柳生観光協会(0742-94-0002)
<柳生観光駐車場へのアクセス>
・名阪国道、針インターチェンジから、国道369号を北へ約20分
・国道163号線、笠置大橋を渡り、府道4号線を南に約10分
・奈良市内から国道369号へ、県庁東交差点を左折し、柳生方面へ(奈良市内から約30分)
「一刀石(柳生一刀石)」へ行こう!
多くの方は車で行かれると思いますが、さきほどの柳生観光駐車場の入り口に、「一刀石(天石立神社)」へ向かう階段があり、ここを登っています。距離は約800メートル。徒歩約15分。
全体的にアクセスの道はそれほど急坂ではなく、私が行ったときは、3~4歳の子供もママやパパと手をつないで楽しそうに登っていました。
瑞々しい森林浴を楽しみながら、歩いていくと、やがて見えてくるのが、こちらの鳥居。ここから聖域へ。空気が変わり、神聖な雰囲気が漂います。“柳生新陰流(やぎゅう・しんかげりゅう)”の匂いが、プンプンします。
神秘的な巨石群があらわれ、一番奥にある岩が、「一刀石(柳生一刀石)」。荘厳で、清らかな空気が感じられ、まっすぐ素直に立ち並ぶ杉の間に、「一刀石」が見えてきます。これが伝説の巨石です。
実際に見てみると、ずっしりと霊的な重みが感じられ、さらに近づいてみると、この割れ目から、“柳生新陰流(やぎゅう・しんかげりゅう)”の匂いが、プンプンしてくるのがわかります。
『鬼滅の刃』の聖地で、名シーン再現!
伝説では、戦国時代~江戸時代初期の剣豪、「石舟斎(せきしゅうさい)」こと、柳生新陰流の開祖、「柳生宗厳(やぎゅう・むねよし/むねとし/そうごん)」が、修行中に天狗と試合を行い、一刀のもとに天狗を切り捨てたところ、まっぷたつに割れた岩が残ったという。
ライバルに敗れた石舟斎は、3年間、この地で天狗を相手に剣術を修行。石舟斎は、この修行で無刀の極意を悟り、柳生新陰流が誕生することになります。
本来の柳生新陰流とは、それまで相手を切り殺すことが目的だった剣術に対し、「人を生かす平和の剣」として、自分に打ち勝つ心の修行の大切さを説いています。
『鬼滅の刃』で、「鬼殺隊」への入隊をめざす竈門炭治郎が、修行している名シーンと似ていると、ファンの間で話題となり、『鬼滅の刃』の聖地巡礼、写真スポットとして人気を呼んでいます。
おそらく、柳生観光協会が置いたものと思われる、おもちゃの剣が「一刀石」の前に置かれ、自由に使って撮影することもできます。
剣を手に、岩に振りかざせば、巨石が見事にまっぷたつ!
そんな名シーンが撮影できるとあって、コスプレーヤーはもちろん、子供連れのご家族、男子や女子グループにも人気。
見知らぬ子ども同士がそろって撮影したり、家族同士で和気あいあいと楽しんでいる雰囲気があり、東京ディズニーランド(TDL)や大阪のユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に行かなくても、十分楽しめます。しかも、24時間いつでも立ち入ることができ、入場料金は無料。
柳生十兵衛や真田幸村、宮本武蔵。
さらに、柳生烈堂(やぎゅう・れつどう)に妻を殺され、復讐心のかたまりとなる、子連れ狼の「拝一刀(おがみ・いっとう)」になりきって、剣を振りかざし、ぜひ撮影を楽しんでください。
その時は、「われら親子、冥府魔道(めいふまどう)に生きる者なれば、六道四生順逆の境(ろくどうしせい・じゅんぎゃくのさかい)は、覚悟のうえでござる!」の名セリフもお忘れなく。
『鬼滅の刃』の聖地、「天乃石立神社」
続いて、一刀石がある「天乃石立神社」をご紹介。戸岩山という山の中にあり、実際に柳生家の剣の修行地だった場所とされています。
小さな拝殿(写真)があるだけで、「本殿」といった建物はありません。「磐座(いわくら)」と呼ばれる巨岩が「ご神体」となっている神社です。かつては能舞台がありましたが、現在は柳生八坂神社に移されています。
自然崇拝の原始的な神道文化が見られ、歴史が古く、創建期は不詳。
「ご神体」となっている岩は、4つ。
拝殿のすぐ隣には「きんちゃく岩」があり、天照大姫命(あまてらすおおひめのみこと)のご神体(日向神社)となっています。
「きんちゃく岩(写真奥)」の後ろにある岩が、「前伏磐」と呼ばれ、天岩戸別命(あまのいわとわけのみこと)の神体岩(天立神社)。
拝殿から一番遠く離れた場所には、「前立磐(左)」と「後立磐」と呼ばれる岩があり、一刀石のようにまっぷたつに切り裂かれたように見えます。
拝殿の案内板によると、ご神体は扉の形をした「前伏磐」「前立磐」「後立磐」の3つに割れ、神代の時代に、天上界でもっとも手の力が強い男とされる、天手力男命(あまのたぢからおのみこと)が高天原で天岩戸(あめのいわと)を引き開けた時、勢いあまって、その扉石がこの地に落ちたと言われています。
「前立磐」は、豊磐牖命(とよいわまどのみこと)のご神体(天岩立神社)。「後立磐」は、櫛磐牖命(くしいわまどのみこと)のご神体(天岩吸神社)とされています。
「柳生十兵衛」「柳生一族」など、“柳生新陰流”の発祥地として有名な剣豪の里、柳生。天乃石立神社の苔むした巨岩群には、古代の日本人の祈りが今も息づいています。一刀石で撮影したら、これらの神秘的な巨岩もぜひ参拝し、日本の神々を感じてはいかがでしょうか?
<柳生一刀石の基本情報>
住所:奈良県奈良市柳生町
電話番号:0742-94-0002(柳生観光協会)
アクセス:柳生観光駐車場から徒歩約15分
『鬼滅の刃』の聖地へのディープなアクセス、行き方
柳生へは、奈良公園から旧柳生街道のハイキングコースが続いています。柳生の剣豪たちも行き交っていた峠道を通り、柳生の里まで行ってみるのもおすすめ。
「滝坂の道(たきさかのみち)」というコースがあり、春日山と高円山の間の谷川に沿って登る山道。旧柳生街道の一部にあたり、かつては柳生の里と奈良の街をつなぐ唯一の道。小さな滝がたくさんあるため、滝坂の道と呼ばれました。
沿道には、剣豪が試し切りしたとの伝説が残る「首切り地蔵」、ひっそりと霊的な気配につつまれた、「春日山石窟仏」や「地獄谷石窟仏」といった石仏があり、地獄谷・新池というスポットも。普通の奈良観光とは違った、ディープな観光を楽しむことができます。
奈良公園の最深部、「奈良奥山ドライブウエイ」を過ぎ、杉木立に囲まれた細道を進むと、やがて見えてくるのが「峠の茶屋」。江戸時代から続いている茶屋で、武士が酒代に代わりに置いていった鉄砲や槍などが飾られています。茶屋のたたずまいに風情が感じられます。
続いての見どころは、「円成寺(えんじょうじ)」。奈良市街と、柳生の里のほぼ中間に立地し、柳生街道で随一の名刹。鎌倉時代の建築物である春日堂・白山堂(国宝)など、見どころがたくさん。境内の庭園は、国の名勝に指定されています。
柳生の里に着いたら、一刀石のほかにも巡ってみましょう。
「旧柳生藩家老屋敷」「旧柳生藩陣屋跡」「神護山芳徳禅寺」といった観光スポットがあります。
おわりに
柳生氏の姓は、「菅原姓」とされ、菅原道真が祖先とも言われています。
藩祖の柳生宗矩(むねのり)は、父の宗厳(石舟斎)とともに、新陰流の秘剣を完成し、後に徳川家康に招かれ、将軍の徳川秀忠(ひでただ)、徳川家光(いえみつ)の兵法指南役となりました。
宗矩の死後、長男の「三厳(みつよし)」(十兵衛)が領地を継ぎ、柳生藩は将軍家の師範役として明治維新まで13代続きました。
明治時代の廃藩置県で、柳生県となり、その後、奈良県に編入されました。
柳生の里は、柳生新陰流ゆかりのスポットだけでなく、社寺や古民家など、のどかな日本のふるさとが感じられる場所。
一刀石で、『鬼滅の刃』の名シーンを再現し、のどかな日本の里を巡ってはいかがでしょうか?
奈良には、不思議な巨石が多く、『鬼滅の刃』の新たな聖地を探してみるのもおすすめですよ。写真は、観音峯(奈良県天川村)の山中にある巨岩。
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