新型コロナウイルスで旅行は? タイの入国制限の現状と注意点

新型コロナウイルスで旅行は?

タイの入国制限の現状と注意点

中国の武漢市で最初に発生し、2020年に世界各国で感染者数を拡大させている新型コロナウイルス。中国に続いて多くの感染者を出している韓国とイタリア、日本などからの渡航者の入国を禁止したり、入国後の行動を制限したりする国や地域が増えています。海外旅行だけでなく、ビジネスにも影響が出ていま

「海外旅行に行っても、入国できるの?」「渡航先から無事に帰国できる?」「キャンセルは可能?」などと心配される方は多いのではないでしょうか?

新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大するなか、タイ旅行に出かけたので、タイの入国規制の現状や今この時期だからこそ注意しなければならないことなど、みずからの体験をもとに現地からリポートします。

日本人への入国制限は?

新型コロナウイルスの感染が日本国内でも拡大し、世界各国は日本への警戒心を高めています。アメリカは、韓国とイタリア(一部)の渡航情報を最上級の「レベル4(渡航禁止)」に引き上げ、すでに日本とマカオ、香港には「レベル2(注意強化)」の渡航情報を出しています。

アメリカが日本人の渡航や入国を禁止すれば、ほかの多くの国々も追従し、経済活動や東京オリンピック・パラリンピックの開催に大きな痛手を与えることになるでしょう。

海外旅行に出かける日本人への入国審査も厳しくなり、外国に入国できても制限が出されている国や地域も増えています。

イスラエルは、過去14日間に日本や韓国などに滞在した外国人の入国を禁止。南太平洋のミクロネシア連邦やキリバスなどでは、日本など感染が確認されている国から渡航する場合、感染者が出ていない国や地域で少なくとも14日間、過ごしてからでないと入国ができません。

インドでも、3月3日以前に日本人に発給した入国ビザ(査証)を無効とする措置を実施。イラクは、感染者の多い中国や韓国、日本、イタリア、イランなどからの、直接または第三国を経由した外国人の入国を当面禁止。入国が制限されていない国に住む人であっても、日本を経由すれば入国できなくなることも増えてきました。

また、入国は禁止していませんが、入国後の一定期間は外出制限や医療機関による経過観察を義務づけ、入国時に医療検査を行うなど検疫を強化している国も増えています。

さらに、日本人が入国制限の対象にされていなくても、トランジット(飛行機の乗り継ぎ)で中国大陸や香港、マカオを経由した場合、フィリピンに入国できないこともあるので、乗り継ぎ便にも注意が必要です。

日本からの渡航者に対する世界各国の入国や入国後の制限などは、「 外務省の海外安全ホームページ」などから確認できますが、状況は刻一刻と変化しています。出発前と到着時で制限内容が変わっていたり、現地を出国する時に新たな制限が加わっていたりすることもあるので、想定外のことも考えなければならない状況にあります。

日本国内の旅行は?

新型コロナウイルスは、日本国内の多くの都道府県でも感染者が確認されています。新型コロナウイルス感染症については、「厚生労働省のホームページ」や各自治体のホームページに最新の発生状況(各都道府県ごとの感染者・死者数)や予防、潜伏期間、原因、症状、致死率、治療薬といった基本知識なども記載されています。

日本国内の旅行をお考えの方は、これらのサイトを参考に旅行をどうするか決めるのも一つの方法です。

中国からの団体旅行など、訪日外国人観光客が減少。日本各地の観光名所やテーマパーク、ホテルや旅館、人気レストランは比較的空いています。

しかし、テーマパークの休園やイベントの中止、ホテルやレストランの休業も多く、事前のチェックをおすすめします。また、電車やバスでの移動時に感染したり、自身が感染者となって旅行したりする場合もあるので、旅行については延期を含めて再検討する必要がありそうです。

新型コロナウイルスでもキャンセル料金発生?

旅行のキャンセル料金については、旅行会社や航空会社に直接問い合わせることが賢明です。旅行会社判断でツアーの中止を決めたり、航空会社判断で運休・欠航を決めたりした場合、キャンセル料がかからずに代金が払い戻される措置もあります。

気になるのは、新型コロナウイルスを理由に旅行を取りやめる場合。キャンセル料発生期間内に取りやめると、キャンセル料金がかかってしまうことは十分に考えられます。しかし、一定の期間内であれば取消料金なしでキャンセルが可能だったり、変更が無料で行えたりする場合もあるので、これも各社に直接問い合わせましょう。

ただ、これは実際に体験しましたが、航空会社の勝手な都合で急に変更し、さらに正確な情報を顧客に伝えず、海外の現地旅行者に多大な迷惑をかけながら、「次回に変更になった場合(自己都合ではなく、航空会社による都合でも)、変更料金が発生します」と、海外の航空会社支店窓口で言われたこともあったので、安いだけの航空会社や旅行会社には注意する必要がありそうです。

キャンセル料金については、予約時にしっかり確認しておくこと。海外旅行保険とは別に、キャンセル専用の「旅行キャンセル保険」というサービスもあります。海外旅行保険を活用するとともに、感染者数が多い地域への旅行を控え、最新の情報で総合的に判断しながら、安全の確保を優先に考えましょう。

新型コロナウイルスでタイの入国制限は?

タイでは、感染地域間で出入国する者に対し、14日間の自宅やホテルなどでの自己観察や、外出時のマスク着用を要請。また、入国時に発熱などが確認された場合、帰国を勧告しています。勧告に従わなかった場合、入国時において、医療機関での14日間の隔離措置を受けることになっています(外務省の海外安全ホームページ、3月8日)。小さな子供さんはおしゃぶりではなく、マスクを付けるようにしましょう。

最新情報については、タイ国政府観光庁各事務所まで。
◆東京事務所(TEL:03-3218-0355 Email:info@tattky.com)
◆大阪事務所(TEL:06-6543-6654,06-6543-6655 Email:info@tatosa.com)
◆福岡事務所(TEL:092-260-9308 Email:info@tatfuk.com)

※3月8日現在、タイ国政府は中国をはじめ感染症の影響を受けるいかなる国・地域に対しても渡航や貿易の制限はしていません。

タイ政府観光庁では「タイへのご旅行を計画される際に知っておくべき事項について」(2月28日)として、出国前にチェックインカウンターで体温測定することを要請しています。

具体的には、飛行機に搭乗中は乗客すべてがマスクをすること、タイに到着した時はサーモスキャナーと赤外線温度計による体温検査を行うこと、質問票に渡航履歴とタイ国内での連絡先を明記することを要請。新型コロナウイルス感染の兆候となる症状(咳、くしゃみ、鼻水、呼吸困難)がある場合は、医療機関での診断や治療対象となるため、出発の延期を求めています。

簡単に言えば、熱がなかったらタイに入国できるが、熱があればタイに入国できても病院に行き、14日間は自宅やホテルなどでじっとしていなければなりません。

タイは観光を制限していない

在東京タイ王国大使館では「タイ政府は日本からの渡航者を隔離する政策はありません」としながらも、「日本からの渡航者で、37.5度以上の発熱が発覚し、呼吸器系に症状のある場合は別室にて再検査を受け、その際にまだ熱が有れば医療機関で診察と治療を受けることになる」「熱がない場合は帰宅できるが、14日間は体調を注視すること」(2月20日)としています。

タイ政府観光庁では、「日本人観光客に対して直接観光を制限する指示は出ていない。あくまで協力を呼びかけているもので、出社や観光を一律に制限するものでもない」(2月24日現在)と説明しています。

しかし、たとえば出国時には体調が良くても長時間のフライトで調子が悪くなり、新型コロナウイルスでなくても熱があり、さらに咳、くしゃみといった症状があれば検疫や治療のために医療機関に移送されます。

最低14日の健康追跡調査を受けることになれば、時間だけでなく、予算的にも負担は大きい。自分自身は健康であっても感染が疑われる乗客との接触があった場合は、14日の健康追跡調査をタイ国内で受けることにもなっています。

体温は計測するタイミングや外気温、女性であれば性周期など、さまざまな影響を受けます。朝起きた時は最も体温が低く、夕方は最も高いということもわかっています。37℃が平熱という人も多いでしょう。

実際に、スワンナプーム国際空港からタイに入国した、21歳の日本人女性が37.1度の熱があり、さらに咳と鼻水があったために、病院に搬送されたことが3月1日に判明しています。

帰りの飛行機に乗れない?

写真は、チェックインカウンターで旅行者の体温測定を行う空港スタッフ。スワンナプーム国際空港で撮影したものですが、バンコクから出国する時はカウンターだけでなく、搭乗直前にも体温測定が行われ、さらに飛行機内でも測定されることも。出国時であっても熱があれば、帰りの飛行機に乗れない可能性も出てきました。

僕はこのことを知らなかった(ネットなどの情報にも載っていない)ので、出国ぎりぎりまでパタヤのラン島でタイ人美女と一緒に遊んでいたため、軽い日射病で発熱。空港で日に焼けた跡を見せて、咳やくしゃみ、鼻水がないことを証明しましたが、ほかの乗客への迷惑になるので帰国をまた延期。ちなみに、空港まで見送ってくれたタイ人美女は、困った顔の僕を指差し、「コロナ、コロナ」と楽しそうに笑いました。

タイに限らず、外国で予想外の事態が起きた時は、言葉の壁もあり、対応が難しい。短期旅行で予定していた帰国便に乗れなかった場合、費用面だけでなく、帰国が大幅に遅れて仕事や学業などに支障が出てくることもあります。

タイは安全?大丈夫?

タイ保健省は、中国人客と接触があり、新型コロナウイルスに感染していたタイ人の販売員男性(35)が死亡したと発表(3月1日)。新型コロナウイルスが直接死因に結び付いたかどうか調査中ですが、新型コロナによる死亡はこれが国内初です。

タイ政府では3月1日から、新型コロナに感染した疑いのある人を見つけ、3時間以内に保健局への報告を義務付けると発表。違反者には最大2万バーツ(約7万円)の罰金が科せられることになりました。

日本とは違い、ウイルスを封じ込めるための厳しい対応が海外では随所に見られるので、これも注意が必要です。

タイは、中国以外で新型コロナ感染者が初めて見つかった国。1月13日にタイ国内で武漢市出身の61歳の中国人女性が感染していることを確認。しかし、3月2日までにタイ国内で見つかった感染者数は42人。

世界保健機関(WHO)などによると、3月2日までに韓国4335人、イタリア1689人、イラン1501人、日本239人、ドイツ129人の感染が確認されており、執筆時点ではタイの感染拡大は緩やか。

タイの居心地よさ

日本では、新型コロナウイルスの感染者が連日増え続け、旅行の自粛モードが広がり、臨時休校する学校も出てきました。東京ディズニーランドやUSJも臨時休園しました。入手困難なマスクを巡って、流血のけんかがあり、デマでトイレットペーパーの争奪戦。

マスクをせずに咳きこんだとして、非常通報ボタンを押して電車が緊急停止。検温や換気。私語厳禁。児童同士は2メートル以上離れるといった予防態勢。東京オリンピックの開催も心配される状況にあります。

しかし、「微笑みの国」のタイでは、新型コロナウイルスの感染者が執筆時点では爆発的に増えていないため、2月のバンコクではほとんどの人がマスクを着用していましたが、3月になって半分ほどに減少しています。

新型コロナウイルスが騒がれ始めた、2020年1月初旬から3月にかけてタイで過ごしていますが、バンコクやチェンマイ、パタヤ、プーケットなど、どんな地域に行っても日本人という理由で、敬遠されるという体験はまったくありませんでした。

改めてタイが素晴らしい国だと感じました。さすが仏教の国。タイの人々は優しく、どこに行っても楽しく、ベストシーズンの時期はビーチが最高に美しい。たいへんな時期だけれど、タイに来てよかった、と思いました。

バンコクやプーケット島、サムイ島、パタヤ、チェンマイなどで西欧人と共同部屋で過ごしていましたが、現地のタイ人からも差別を受けたり、冷ややかな視線を感じたりするなど、嫌な思いに遭ったことは一度もありません。海外では、邦人女性に「コロナ」と声をかけ、暴行事件が発生するなど、悲しい出来事もありますが、少なくとも、僕はそんな被害には遭いませんでした。

むしろタイ人は、新型コロナの影響でなかなか日本に帰れない僕に同情し、食事やショッピングを楽しみ、いつも一緒に遊んでくれました。国民性や地域性もあると思いますが、日本と比べて、タイの陽気さ、楽しさにはいつも救われます。

新型コロナウイルスはいつ終息するのか?

執筆時点ではタイの感染拡大は緩やか。しかし、このまま平穏なのかどうか。
日本では、「気温が高くなり、湿度も上がる春以降に終息する」といった説も出ていますが、「高温多湿」のシンガポールでは感染者が100人を超えています。気温が30℃、湿度が80%といった、日本の初夏のような天候や気候の地域でも、多くの感染者を出しています。

風邪やインフルエンザなど、ウイルスによる感染症が流行するのは一般的に冬の季節。空気が乾燥することで、のどや鼻の粘膜も乾燥し、ウイルスへの防御が弱くなるため。しかし、新型コロナウイルスは高湿度で感染者を多く出しているデータもあり、突然変異や再感染の可能性もあります。熱帯地域への渡航も、十分な注意が必要であることをご指摘させていただくとともに、新型コロナウイルスの終息を願ってやみません。