新型コロナウイルス感染拡大でタイでは非常事態宣言、入国規制、バーも閉鎖!観光旅行は原則禁止

新型コロナウイルス感染拡大でタイでは非常事態宣言

入国規制、バーも閉鎖!観光旅行は原則禁止

新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)の感染確認がタイ国内で初めて発表されたのは2020年1月13日。この直前にタイ旅行でバンコクを訪ね、その後、チェンマイ、チェンラーイ、チェンセーン、ゴールデントライアングル地帯、メーサーイなどタイ北部をバイクで回り、再びバンコクを訪ね、パタヤ、サムイ島へと移動し、2月14日にはプーケットを観光旅行した。タイ現地から、新型コロナウイルスの模様をお伝えします。

タイでは夜間外出禁止令、違反者は逮捕・罰金も

2020年、世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス。感染が急拡大しているのを受け、「緊急事態宣言」が2020年4月7日に発令された日本ですが、タイでは3月26日に非常事態宣言が発令。
4月2日にはタイ全土に対し、「夜間外出禁止令」が出され、午後10時~翌朝4時の外出は禁止。違反者には最大2年の禁錮か、4万バーツ(約12万円)の罰金、またはその両方が科されます。

タイでは夜間に外出すると逮捕され、罰金も支払う場合も。タイ人の平均月収は約1万バーツ(約30,000円)なので、月収の約4倍。日本人の感覚からすれば、約80万円~約100万円の大金を支払わなければなりません。実際に仲の良いゴーゴーバー嬢の何人かが逮捕され、保釈金を払いに警察まで行きました。

いつまで自粛?不安と不満、経済損失、治安悪化も懸念

ゴーゴーバーなどのナイトクラブだけでなく、大型ショッピングモールなども閉鎖。生活必需品を売る店以外の商業施設の営業は禁止されています。しかも、規制対象外のスーパーやコンビニエンスストアも、バンコクでは午前0~5時は営業禁止に。しかも、スーパーに入店する時は体温のチェックも。

外出禁止の時間は延長される可能性もあり、タイ政府報道官は「1日24時間の外出禁止令が発令される可能性も否定できない」との見解を示しています。

長引く外出禁止。いつまで自粛が続くのか。非常事態宣言の期間は執筆時点で4月末までとしているが、感染者も死亡者も増加していく一方です。

まったく先が見えない。経済苦がタイ人にも重くのしかかってきました。夜間に外出して逮捕されたゴーゴーバー嬢たちは、“生きるための仕事”を求めての外出。故郷にいる母親や幼い子供への仕送りのためでした。

日本では、新型コロナウイルスの感染拡大で小学校などが休校し、子供の世話のために仕事を休んだ個人向けの新たな支援金制度(厚生労働省)が創設されました。

タイでも、新型コロナウイルスの感染拡大で経済的影響を受けている人々を支援するため、社会保障を受けられない失業者ら900万人に、5000バーツを6カ月間給付するほか、農家への財政支援なども実施。

失業者への食事提供をはじめ、職を失った住民や、スラム街に住む住民にマスクづくりを依頼することで経済的な支援を行うとともに、マスクを配布して感染防止にも役立てる取り組みが始まっています。タイでは今後も、さらなる支援を行っていく予定です。

タイの食料自給率は、日本の約37%に比べて、約160%と高い。ラオスやベトナムでも約120%と高く、東南アジアでは食品の買いだめに人々がスーパーに殺到するといった光景は見られません。
しかし、自粛の延長や商業施設やバーの閉鎖など、先が見えない生活の不安と不満が高まっており、経済への影響や損失は大きく、治安悪化も心配されています。

バンコクの人気観光名所、高級ホテルも閉鎖

タイの首都バンコクでは、ナイトクラブなどでクラスター(感染者の集団)が発生。バンコクのゴーゴーバーやビアバー、パブ、MP(マッサージパーラー)、カラオケ店、マッサージ店などのナイトクラブは2020年3月18日から閉鎖。水かけ祭りで知られるタイ正月の「ソンクラーン(4月13日~15日)」の延期も決まっています。

バンコクやパタヤで人気の観光スポット、ゴーゴーバーやバーなどの娯楽施設では、中国や韓国、台湾、日本人のアジア系だけでなく、ドイツやイタリア、フランス、イギリスなど西欧人観光客も多く、最近ではイランやイラク、パキスタンなど中東からの観光旅行者も目立ちます。

いずれも感染拡大国ばかりであり、「喚起が悪く」「人が密に集まって過ごし」「不特定・多数の人々が濃厚接触」しているスポットが、まさにゴーゴーバーやビアバーであり、再開は未定。ほとんどのゴーゴーバー嬢は、すでに遠くの田舎や実家に戻っています。

ゴーゴーバーだけでなく、3月22日からは大規模ショッピングモール(スーパーや薬局などは除く)やウイークエンドマーケット、遊園地、映画館、フィットネスクラブなどの娯楽関連施設が閉鎖。バンコクの人気観光名所の「王宮&ワット・プラケオ(エメラルド寺院)」や、高級ホテルの「サロジン」なども休館しています。

バーやナイトクラブ、マッサージ店、ショッピングモール、観光施設の閉鎖はバンコクだけでなく、プーケット島やパタヤ、チェンマイ、サムイ島などの人気観光地にも波及。タイの人気観光地、プーケット島でも感染者の拡大が見られ、ウイルス感染拡大を抑制するため、プーケット県に入る陸海空路を4月末まですべて閉鎖。

プーケットではロックダウン(都市封鎖)が行われていますが、観光客の姿が少なくなったという印象を受けるだけで、タイ人たちは比較的冷静さを保っています。
外国人が集まるのはパトンやカロン、カタ、パンタオ、マイカオビーチといった一部の高級リゾートエリアであり、プーケットでは多くのタイ人が自給生活できるからです。

非常事態宣言でタイの入国はどう変わった?

3月26日に非常事態宣言が発令されてから、タイでは国境閉鎖、買いだめや正当な理由なき値上げの禁止、事態を悪化させる報道の禁止、仕事に集中できるよう医療関係者への取材自粛を要請、高齢者や患者、子どもへの支援などを決定。

タイは3月22日から、タイに入国するすべての外国人に対し、入国制限を強化。タイに入国するためには、空港での搭乗手続き(チェックイン)の際に新型コロナウイルス(COVID-19)が検出されなかったことを証明する、英語での診断書の提出(航空便の出発前72時間以内に発行されたもの)を求めています。

さらに、新型コロナウイルスによる疾病を含む、海外旅行中の医療費の全額をカバーするため、医療費の補償額が10万米ドル相当か、それ以上の健康保険に加入したことを示す証書も必要。旅行者は、タイへの出発前に健康保険を購入しなければなりません。

これに加えて、非常事態宣言の発令に伴い、3月26日からはタイに入国する、すべての外国人観光旅行者への入国制限がかなり厳しくなりました。

いかなる交通手段、陸海空のいかなる経路であっても、内閣総理大臣もしくは非常事態対策担当者が必要に応じて許可した場合や、タイ王国外務省の承認を得た者などでないと入国ができません。一般の観光旅行者の入国は事実上、禁止に。
タイ国際航空は、日本~タイのフライトを最長で10月下旬まで運休することが決まっています。

タイは1月13日、中国以外で初めてとなる感染者が確認。その後は微増にとどまっていましたが、3月中旬から感染が拡大。タイでの感染者数は過去1週間で5倍以上に激増(599人)し、6割はバンコクで確認されたと、時事通信社が伝えました(3月22日)。その後も、日本と同様に感染者数を拡大させ、3月26日に非常事態宣言が発令。3月下旬以降、毎日100人程度の新規感染者を出し、半数以上がバンコクで確認されています。4月に入っても、日本と同様に感染者を拡大させています。

タイ出入国の制限や状況は刻一刻と変わっています。「タイ政府観光庁のホームページ」や「外務省海外安全ホームページ」などをご参照ください。

最新情報については、タイ国政府観光庁各事務所に直接問い合わせるのがおすすめです。
◆東京事務所(03-3218-0355、Email:info@tattky.com)
◆大阪事務所(06-6543-6654、Email:info@tatosa.com)
◆福岡事務所(092-260-9308、Email:info@tatfuk.com)

パタヤ、プーケットは別の国?

バンコクやチェンマイでは、マスクをしているタイ人や旅行者を多く見かけた。マスクはどこも品切れ状態。しかし、パタヤやサムイ島、プーケット島では、タイ人や外国人も含め、マスクをしている人をほとんど見かけない。コンビニやドラッグストアでも、マスクを買うことができる。写真はサムイ島からプーケット島へと向かう途中で撮影したフェリーボート。マスクをしている人はほとんどいなかった。

プーケット島で最も賑やかなパトンビーチ。プーケットで随一の夜遊びスポットでもあり、パトンビーチの「バングラ通り(Bangla Road)」でも、マスクをしている観光旅行者の姿はほとんどなく、ゴーゴーバーやビアバーで踊っているタイ人女性たちもマスクをしている人は誰もいなかった(2月14日)。また、いつも狭い通りを占領している中国人団体旅行者の姿はまったく見かけず、パタヤやプーケットでも楽しい時間を過ごすことができた。

“中国人や嫌な男とはキスしない”

夜遊び天国のバングラ通り。毎夜、歩行者天国で賑わいを見せる、プーケット最大のナイトスポットだ。ゴーゴーバーやビアバーがひしめいているが、バンコクやパタヤのゴーゴーバーと比べて観光色が強く、欧米人のカップルや白人女性が気軽にゴーゴーバーを楽しんでいる姿も多く見かける。

写真は、ゴーゴーバーに入って行く、欧米人のカップル。写真右手に見えるのがゴーゴーバー店の「スージーウォン(SUZY WONGS)」。スージーウォンは可愛いタイ人女性が多い店で、プーケットでは一番人気店。店内は撮影禁止だが、ステージでビキニやトップレス姿で踊る女性たちはマスクをつけることなく、今夜も元気に踊っている。

ゴーゴーバー嬢やビアバー嬢たちも、今回のコロナウイルスについては関心が高く、なぜマスクをしないのかと尋ねたところ、「顔が見えないじゃない」とのこと。コロナウイルスの予防策については、「中国人や嫌な男とはキスしない」と話した。いつものことだが、たいへん逞しい。

日本でも同じだが、不特定多数の男性を接客するキャバクラや風俗店では、「濃厚接触」が避けられない。厚生労働省では、濃厚接触者の定義として、「必要な感染予防策なしで、手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、接触した方など」と説明しているが、性風俗店(ゴーゴーバーなど)では近距離での接客は避けられず、夜の繁華街から新型コロナウイルスの感染が拡大する可能性は十分に考えられる。

プーケット旅行に来てよかった!

夜のバングラ通りで記念写真を撮っていた日本人女性のグループは「(タイは)行こうかどうか迷った。プーケットに来てみたら、ほとんどマスクしていないし、とても楽しい。来てよかった」と話した。

バンコクやチェンマイでは、マスクをしている人が大半を占め、重苦しい雰囲気があるが、ビーチリゾートのパタヤ、サムイ島、プーケット島ではマスクを着けている人は見かけず、多くの観光客は思い切り遊んでいる。これはいったい、なぜなのか?

パタヤ、プーケットは安全?

ゴーゴーバー嬢の一人は言う。「バンコクやチェンマイは空気が悪い。プーケットは海に近いので、とても爽やか。海風がウイルスをどこかへ追いやってしまう」

なんともタイらしい意見だが、正論かもしれない。バンコクは内陸にあり、ベストシーズンの乾季(11月~3月)は雨がほとんど降らず、無風の時も多い。このため、大気汚染物質(PM2.5)がバンコク市内に停滞し、最近では健康に深刻な影響を及ぼすほど危険な状態になる場合も多い。チェンマイは山に囲まれた盆地であり、乾季のシーズンは雨が降らず、無風状態の時は汚染物質が市内に停滞する。新型コロナウイルスも、バンコクやチェンマイ市内に長く滞在するのではないか?

ビーチリゾートのパタヤ、サムイ島、プーケット島では、海からの風の影響で、乾季のシーズンはとても爽やか。特に2月のプーケットはベストシーズンの中でも最高の時期。夕暮れも美しく、プーケットのビーチは、カップルたちが愛を語り合う場所。

プーケットで人気のビーチ・レストラン「カフェデルマール プーケット (Cafe Del Mar Phuket)」では、プロポーション抜群の美しい西洋人女性やカップルたちが、水平線に沈む夕日を眺め、プールバーでクラブミュージックと踊りで楽しんでいる。

カフェデルマールは、地中海に浮かぶイビサ島にあるビーチ・レストランだが、タイで初めてとなる海外店がプーケットにオープン。西欧人女性たちはセクシーなビキニ姿で、おしゃれなビーチライフをノリノリで楽しんでいる。マスクともコロナウイルスとも、今はまだ無縁の世界。確かに、海から吹いてくる爽やかな風がウイルスもPM2.5も、どこかへ追いやってしまうのかもしれない。

タイでは1カ月で感染者数33人

2020年2月13日は、タイ国内で新型コロナウイルスの感染確認が初めて発表されてから、ちょうど1カ月。11日のタイの各メディアは、感染者数が1人追加され、33人となったと報道。感染が確認されたのは中国人女性で、タイ滞在中に別の中国人感染者と接触して感染した。感染者数は13日も、33人のまま。このうち、10人はすでに回復して帰宅。23人は病院で治療中。タイ政府は、「SARSとMERSの発生中に成功したように、この新型コロナウイルス感染に対処するための設備が整っています」と説明しているが、感染者の治療を的確に行い、感染拡大の防止に努めている。

一方、中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎で、武漢市では感染者4823人、死者116人を新たに確認したと、時事通信が2月14日に伝えた。中国本土の感染者は少なくとも合計6万4627人、死者は1483人に達している。

中国湖北省武漢市を中心に、2019年12月から発生した新型コロナウイルス。わずか3カ月間で、死者が約1500人。潜伏期間がどれほどなのか、まったくわかっていない。タイでも、日本でも、今のところは中国ほどの甚大な被害は出ていないが、今後はまったくの未知数。

タイ保健省当局者は、新型コロナウイルスによる肺炎がバンコクやチェンマイ、プーケットなど日本人にも人気の観光地で大流行する恐れがあるとして警戒を呼びかけているが、中国の例を見ると、爆発的に感染者数が増えるのは4~5月となる可能性が高い。タイでは、水かけ祭りのソンクラーンの季節。日本では桜が終わり、ゴールデンウィークへと向かう時期。

早期発見・早期治療で死亡を回避する体制は整いつつあるが、新型コロナウイルスによる人的、経済的被害がどれほど拡大するのか、予断を許さない状況だ。タイでは、日本への旅行が流行しているが、2月下旬に日本を旅行したタイ人夫婦がタイに帰国した後に、感染が確認されている。タイと日本を渡航する旅行者が、さらに自国で感染被害者を増大させていく恐れもある。